魔法の角度
「なんで僕『地球』なの?」
「青地って名字が『地球』っぽいから。
それに、『金星』と並べるじゃない。」
『地球』か…。
彼女も上手く考えたもんだ。
なんて、話しながら僕は一生懸命計算した。
そして、彼女を近くにぐっと引っ張った。
僕にしては、大胆な行動。
照れ笑いを浮かべる彼女を少しだけ見下ろした。
これで僕と彼女の距離は15cm。
tan(僕から見た彼女の角度)=(身長差)÷(2人の距離)
=12.6÷15
=0.84
tan40°≒0.84
僕から見た彼女の角度は…。
「40°」
そう呟いた僕を不思議そうな顔して見上げる彼女は、格別に綺麗だ。