魔法の角度
太陽からの逆光で顔はよく見えない。
髪が垂れ下がってるから、女の子だ。
「なにしてるの?」
彼女の問いに僕は起き上がった。
だって、相手が誰でも寝転がったままは失礼だろ。
起き上がって、僕は目を丸くした。
「…金星!?」
「私のこと知ってるんだ~!」
彼女、藤金星加さんが嬉しそうに言った。
知ってるも何も…。
「ご、ごめん!」
僕は顔を真っ赤にして謝った。
そんなに話したこともないくせに、生意気にあだ名で言ってしまったから。