ラストダッシュ。
【1】きっかけ。
『どぉでもいいや...。』
野澤 あい (18) 高3
あたしの最近の口癖。
地元ではそこそこの進学校に通ってたあたし。
だけど…4年制大学に進学するつもりもなく、受験勉強も全然してなかった。
それに学力自体も学校では後ろから数えたほうが早いくらい。
そんなあたしを心配してか、担任は指定校推薦のある短大を紹介してくれた。
『ここでいいや...。』
目の前におびただしいくらい詰まれたパンフレット。
全部に目を通すなんて死んでもイヤだった。
あたしは特にやりたいこともなく、夢もなかった。
だけど料理は好きだった。
『栄養士』
この言葉にひかれて、栄養士の資格が卒業と同時にもらえる短大を受験することにした。
家に帰って両親にパンフレットを見せ、話をした。
『ここで、いい?』
あたしの声に父も母も反応してないような感じだった。
『ねぇ?受けるから!!』
あたしはちょっとムッとした顔をして聞き返すように言った。
『あぁ。』
父はやっと声をだした。
母は相変わらず口をひらかなかった。
両親があたしに干渉しないのは昔からだった。