恋する少年
ドキン
一瞬だけ胸が高鳴った気がした。
ねこを見つめるその表情は、
とても穏やかで、
今まで見たことのないぐらい
やさしく、綺麗だった。
大きい瞳、長いまつげ、
かすかに緩む口元・・・・・・
女って、こんなんだっけ?
女って、あんな表情出来るのか?
――――――ドキンッドキンッ
心臓が早く動く。
何だコレ・・・・・・?
俺の心臓は、こんなに早く動けたのか?
ってくらい早く動いて、
おまけに、顔もどんどん熱くなる。
距離はけっこう離れているのに
俺はなぜか竹内を直視出来なくて
俯いてしまった。
こんなの、知らない。
この気持ちは何だ?
「あれ?・・・・・・田中君?」