恋する少年




俺は、モテたいかって?

俺は、別にそんなのどーでもいい。

今はサッカーが大事だし、

モテるとか、彼女とか、

かまってらんねーよ。



二人を無視しつつ、

渡り廊下を曲がろうとしたときだった。

反対側から来た人にぶつかった。



「うわっ」
「きゃあっ」


俺はぶつかっただけで何もなかったけど、反対側から来た女はそのまま尻餅を付いてしまった。



「いたたたた・・・・・・」


「ごめん。大丈夫?」


「はい。大丈夫です。」



俺が差し伸べた手を掴みその子が顔を上げたとき、


少し驚いた。


肩まである黒くサラサラした髪。

顔は、長い前髪とメガネでよく見えないけど

綺麗で大きく、印象的な瞳の子だった。



「あのっすみませんでした。


・・・・・・大丈夫ですか?」


「あぁ、うん・・・・・・」



ヤバッちょっと見すぎたかも。



「じゃぁ。

ほんとにすみませんでした。」
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