恋する少年
「は?」
「いや。
お前が、女子のこと誰?なんて滅多に聞かないからさ、もしかしてって・・・・・」
まだ勇作の後ろに隠れている祐次までもが
うなずいている。
まじか・・・・・・
確かに、俺なら
『竹内美咲?
知らねぇーよ。』
とか言ってそのまま7組の奴に
渡しとくように頼むはずだ。
なんでだ・・・・・・?
俺が・・・・・・恋?
「ま、雄大には女がいっぱい寄ってくるから選ぼうと思えば、選べるしな?
で、今んとこ、どうなの?」
勇作が、怪しい笑顔で俺を見つめる。
「・・・・・・知らねぇーよ。
早く、教室帰るぞ。」
思ってることとは別の事を2人に言って、
サッサとその場を後にした。
別に恋を知らないわけじゃない。
そりゃ高2だし?
好きな人の1人や、2人いたことはある。
でも、それだけだ。