俺の恋愛【BL】~番外編~


「…聖治、俺を見ろ」

視線を合わせられずにいると、柔らかな声が耳を擽り、自然と視線を送ってしまう。

「元カノの事は、確かに好きだったけど、別れた次の日には、聖治のせいで考える暇もなくて、今じゃそんな感情欠片も残ってない」

視線が交わった瞬間、言い聞かせるような強い口調。

「でも、俺の事は…悠斗は優しいから…」
「優しいから何?」
「…同情、とか」
「本当に怒るぞ」
「……」
「…同情で男に抱かれてたまるかよ。俺は、聖治だから許したんだ。聖治以外受けつけない」

その漆黒の瞳で真摯に言われると、俺の不安がサァッと風に吹かれるように飛んでいく。

「わかったか」
「…わかった」

悠斗を疑うとか信じてないとかじゃなくて、俺が自信がなかっただけ。
俺は男だから余計にそう思うのかも。
それでも…と思う。



悠斗を抱き寄せた。
それに逆らう事なく、どちらかというと自ら腕の中に入って来てくれた事を嬉く思う。


< 13 / 18 >

この作品をシェア

pagetop