俺の恋愛【BL】~番外編~
『ありがとう。…君、名前は?』
『神崎です。それじゃ、俺行きますね』
『うん。ほんとにありがとう』
『いいですよ。そんなたいした事じゃないし』
『でもほんとに助かったから』
『今度からはそんなに持たない方がいいですよ。危ないから』
『そうだね』と頷くと『じゃあ』と言って踵を返して、部屋を後にした。
俺はその後姿をしばらく見送っていた。
俺の事を知らないみたいだった。
それは嬉しくもあり、知らないからこそ、あんな風に接してくれたんだと思うと切なくもあった。
その後、すぐに悠斗が何科にいるのか調べた。
簡単にわかったのはいいけど、それと同時に彼女がいることもわかって、すごく落ち込んだ。
もちろん彼女がいなくたって俺が相手にされる可能性なんてほとんどなかったけど。
それでも彼女がいなければ、すぐに悠斗に会いに行ってた。