ラブ☆ゲーム



「いい?茉莉。ちゃんと聞いてね!」




沙耶はあたしの目を見ながら、熱心に説明してくれた。




「『ラブゲーム』っていうのは、バレンタインに独り身の男女だけ集めて行われるパーティーみたいなもんなの。姉妹校の黒沢学院っていう男子校とやるらしいんだけど、伝統行事なんだって。

…しかも、毎年何組かはカップルが出来てるらしいよ!」




ラブゲームの話をする沙耶の目はとっても輝いている。




「でも…あたし別に彼氏欲しいわけじゃ……」



「いいからいいから!行ったほうがいいって!!」



「……あたし、行かな――――」



「え?茉莉ちゃん、ラブゲームに参加するの?」




あたしが必死に沙耶に抵抗している時、近くから聞き覚えのある声がした。




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