YOU〜普通の子×ホスト〜
ホストとしての、ノウハウが分かり始めた今、あの頃の自分は愚かだったと思う。
過去のことを、グチグチと……
やかましい女だ。
過去は過去だし、今は今。
いちいち、いずみが同じ空間にいるかもしれない、この場で……
そんなことを言われたくなかった。
しつこいチハルを黙らせるために……
俺は、やってはいけないことを、してしまったんだ。
「うるせぇな!!」
そう言って、チハルの中に指を入れた。
こいつのツボは、悲しいことに知り尽くしている。
あっという間に、それを迎え、すやすやと眠りに就いたチハルを、俺はやっぱり好きにはなれない。