YOU〜普通の子×ホスト〜
アタシはホストをやっているときの彼を知らない。
でも、ホストを仕事としている以上、ホストなのだ。
いつもニコニコしているのも、女の子に優しいのも、さっきみたいに女の子の要望に答えてしまうのも……
ホストだからかもしれない。
1人になって色々と思い詰めると、さっきの出来事が蘇ってしまう。
簡単に、あんなことができる人なのだろうか。
それとも、昔の客とはいえ、彼はあの子に惚れているのだろうか。
どちらにしろ、アタシにはショックな出来事に代わりはないのだけれど。
思い出しては、また泣いた。
泣くことでしか、発散することができなかったから。
そして、再び起きて、まだ悲しいことに気付き、現実だったんだと思い知らされる。