DEBU×KOI[短編]
‐次の日‐
少し早めに
会社に向かいました。
可愛い紙袋に
ポツンと綺麗に
包装されたハンカチ。
エレベーターの前で、
顔を赤く染めて
待っていました。
ポーン‥
エレベーターが
開きました。
胸が高鳴るけど、
笑顔をつくって
開く扉を見ました。
でも、昨日の男の人では
ありませんでした。
「ぶっ、誰あれー?」
「知らねーっ」
「誰待ちだよっ!!笑」
香水のニオイが
私に移るんじゃないか。
そう思う位のニオイ。
綺麗な女の人たちは
私の前をわざと通り、
笑いあって会社を出た。
トントン..
「ゎあっ!!」
肩を叩かれて
驚いた。
昨日の人だった。
「それ、ハンカチ?」
私は、
下を向いて頷いた。
「綺麗にしてくれたんですね。ありがとう。」
「い‥え。昨日はどうも。//」
「今から食事、行きませんか?」
私は、涙が出そうになった。
また、下を向いて
大きく頷いた。
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