いらない子メーカー
しばらくして――

「カナちん、やっほぉ~ん!」

元気な挨拶と共に、姉がやって来た。

両親は二人とも仕事に出かけているから、家には今、果菜ひとりだけ。

最近は、何かと物騒だから、鍵はいつもしっかりとかけてある。
姉がインターホンを押したので、果菜は玄関に降りて鍵を開けた。

「あー、バス停から歩いて来るの、結構大変だったぁ。
 やっぱり車の免許欲しくなっちゃったなぁ」

ぼやきながら登場。

姉……今日も可愛い。

くるくるに巻かれた茶色い髪。クロスのピアス。
ワンピースの色に合わせた薄紫のネイル。
メイクもバッチリ。睫毛も長くて……。

どこからどう見ても、ギャル。

片手にたたんだベビーカーを持ち、
片手に赤ちゃんを抱いていなければ――



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