月と太陽の事件簿2/点灯す(ともす)
隣の達郎が口を開いた。
「何を探すのよ」
「被害者の妻が知らないとなると、被害者が密かに持ち込んだ何かだ」
「何かって?」
「それを調べるんだよ」
達郎は黒い絹の手袋を取り出し、両手にはめた。
「ちょっと何する気よ?」
「いま言ったろ。部屋を調べるんだよ」
「ダメ」
あたしは達郎の肩をつかんだ。
「なんでダメなんだよ」
「あんた前回しでかしたこと忘れたの?」
前回の事件で、被害者の携帯電話を勝手に持ち出したことをあたしは忘れない。
「今回は大丈夫だって」
「絶対ダメ。信用できない」
「レミ」
「ダメ」
「相変わらず仲がいいわね」
あたしと達郎の押し問答に、凜とした女性の声が割り込んだ。
声のした方に目を向けると、鑑識課の制服に身を包んだ美女が眼鏡を直しながらほほ笑んでいた。
浦川警部と同じく顔なじみの間柄である鑑識係の里見さんである。
「来てたんですか、里見さん」
あたしはあわてて姿勢を正した。
「何を探すのよ」
「被害者の妻が知らないとなると、被害者が密かに持ち込んだ何かだ」
「何かって?」
「それを調べるんだよ」
達郎は黒い絹の手袋を取り出し、両手にはめた。
「ちょっと何する気よ?」
「いま言ったろ。部屋を調べるんだよ」
「ダメ」
あたしは達郎の肩をつかんだ。
「なんでダメなんだよ」
「あんた前回しでかしたこと忘れたの?」
前回の事件で、被害者の携帯電話を勝手に持ち出したことをあたしは忘れない。
「今回は大丈夫だって」
「絶対ダメ。信用できない」
「レミ」
「ダメ」
「相変わらず仲がいいわね」
あたしと達郎の押し問答に、凜とした女性の声が割り込んだ。
声のした方に目を向けると、鑑識課の制服に身を包んだ美女が眼鏡を直しながらほほ笑んでいた。
浦川警部と同じく顔なじみの間柄である鑑識係の里見さんである。
「来てたんですか、里見さん」
あたしはあわてて姿勢を正した。