月と太陽の事件簿2/点灯す(ともす)
「明けましておめでと。やっぱあんたか」
「おめでとさん。やっぱとは何だよ」
3つ年下のイトコ、月見達郎はそう言って笑った。
『あたしのことをレミとなれなれしく呼ぶ男はあんただけって事よ』
そう思っただけで口にはしなかった。
言ったところで「へぇ」と返されるのがオチだ。
「聞き込みの途中かい?」
あたしはうなずいた。
「よくわかったわね」
「殺されたサラ金業者の自宅ってこのあたりだろ?」
達郎の指摘に、あたしは再びうなずいた。
あたし日野麗実は警視庁捜査1課2係に所属する捜査官・つまり刑事だ。
今朝から丸1日歩き回っていたのは強盗殺人事件の捜査のためだった。
事件が起きたのは一昨日6日のこと。
消費者金融の経営者・吉沢信夫(63)が殺害された。
現場は店内で、巡回のガードマンによって遺体が発見されたのは午後7時すぎ。
「おめでとさん。やっぱとは何だよ」
3つ年下のイトコ、月見達郎はそう言って笑った。
『あたしのことをレミとなれなれしく呼ぶ男はあんただけって事よ』
そう思っただけで口にはしなかった。
言ったところで「へぇ」と返されるのがオチだ。
「聞き込みの途中かい?」
あたしはうなずいた。
「よくわかったわね」
「殺されたサラ金業者の自宅ってこのあたりだろ?」
達郎の指摘に、あたしは再びうなずいた。
あたし日野麗実は警視庁捜査1課2係に所属する捜査官・つまり刑事だ。
今朝から丸1日歩き回っていたのは強盗殺人事件の捜査のためだった。
事件が起きたのは一昨日6日のこと。
消費者金融の経営者・吉沢信夫(63)が殺害された。
現場は店内で、巡回のガードマンによって遺体が発見されたのは午後7時すぎ。