月と太陽の事件簿2/点灯す(ともす)
「どうです、何か見えてきましたか?」
羽田修の部屋から階段のところまで戻ったあたしたちに、浦川警部が意見を求めた。
むろん達郎に対する問い掛けだ。しかし、
「レミはどう思う」
突然パスを回され、あたしはあせった。
「どどどどうって?」
「『ど』が多すぎ」
誰のせいだコノヤロー!
2人だけだったら間違いなく怒鳴ってたが、今の状況だとそうはいかない。
あたしは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
「動機が見えてこないのがひっかかるのよね」
やはり気になるのはあの蛍光灯だ。
「物盗りや怨恨でもないとなると…まさか無差別殺人とは考えにくいし」
「そうだな」
「あんたもそう考えてるの?」
「ああ。この殺人事件には、絶対に明確な動機があると思う」
「そう言い切れる根拠は?」
「台所の蛍光灯が外されて、スチロールのフタがそばにあったからさ」
「あの、全然わからないんですけど」
訊いても達郎は答えてくれなかった。
羽田修の部屋から階段のところまで戻ったあたしたちに、浦川警部が意見を求めた。
むろん達郎に対する問い掛けだ。しかし、
「レミはどう思う」
突然パスを回され、あたしはあせった。
「どどどどうって?」
「『ど』が多すぎ」
誰のせいだコノヤロー!
2人だけだったら間違いなく怒鳴ってたが、今の状況だとそうはいかない。
あたしは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
「動機が見えてこないのがひっかかるのよね」
やはり気になるのはあの蛍光灯だ。
「物盗りや怨恨でもないとなると…まさか無差別殺人とは考えにくいし」
「そうだな」
「あんたもそう考えてるの?」
「ああ。この殺人事件には、絶対に明確な動機があると思う」
「そう言い切れる根拠は?」
「台所の蛍光灯が外されて、スチロールのフタがそばにあったからさ」
「あの、全然わからないんですけど」
訊いても達郎は答えてくれなかった。