月と太陽の事件簿2/点灯す(ともす)
「どけ!」

興奮していた羽田があたしを突き飛ばした。

次の瞬間、あたしは羽田の腕をとると逆方向へねじり上げた。

空いてる手で首ねっこをつかみ、身体ごとドアへ押しつける。

羽田は呻き声をあげた。

「公務執行妨害ですね」

達郎が淡々と言った。

「そのようですな」

警部も平然と応じる。
さすがベテラン。

ー気の毒に。

あたしは一応、心の声で詫びておいた。

そして翌日。

取り調べに対し、羽田修はすべてを自供した。

その後の家宅捜索で羽田の部屋からは、凶器に使われたナイフと、下瀬夫婦の部屋から持ち出した蛍光灯が発見・押収された。

羽田修は強盗殺人罪で再逮捕となった。

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