じいさんとアタシ

アタシの目の前に座ったトミさんは、細身の長身で髪もまだふさふさ。


この前会ったときは笑顔のトミさんが印象的だったけど、

普通の顔も優しい印象を与える。



「なんかついてる?」


アタシがジッと顔を見ているので、トミさんは勘違いした。


「いえ…ただ…若いなぁと思って」



アタシがそう答えると、「若い子にそんなこと言われると嬉しいねぇ」と笑った。




「おじいさん…何歳なんですか?」


「68歳だよ」


「68!?」


「見えない?」


「はい…」


60歳くらいかと思った…




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