じいさんとアタシ

「お母さんのどこに惹かれたんですか?」


まさか本当に結婚するとは思ってない。


だけど付き合ってることは確からしいから、聞いてみた。


「うーん…恥ずかしいなぁ…」


とちょっと照れながら、彼は続けた。


「ひかりちゃんとキミちゃんが、今どういう状態なのか知ってる。」

キミちゃんとは希美子(キミコ)こと、お母さん。


「キミちゃんと僕が出会ったのは、僕が彼女の勤め先のスナックに接待で行ったんだ。


そこで接待の相手がね、キミちゃんにお酒をかけてしまった。

酔っていたからこけちゃったんだよね。


もちろん相手にクリーニング代を払わせるわけにはいかないから、

僕がキミちゃんのクリーニング代をだしたんだ。

僕っていうかウチの事務所がね。

で、連絡をとるために番号を交換したのが1番はじめ」



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