じいさんとアタシ

「うそ…」


「嘘じゃないよ。キミちゃんは、ひかりちゃんとやり直したいんだ。

ただ、どうすれば良いか分からないんだ。

また嫌われるんじゃないかって思ってるから」





「そんなの…アタシだってわからないよ…」



いきなり「昔はごめん。仲直りしよう」って言われて、

「うん。これからは仲良く暮らしていこう」なんて、できるはずがない。



授業参観だって、


運動会だって、


進路で悩んでたときだって…


誕生日もクリスマスも、ゴールデンウイークも…



いつだってお母さんなんかいなかった。



いつだってアタシは1人だった。




それを今更…


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