じいさんとアタシ

あの時、先生じゃなくてお母さんが答えてくれたら、

アタシとお母さんの関係は今より少しよかったかもしれない。




「最初から2人は無理だと思うから、初めは3人で話さない?

僕は一応、ひかりちゃんのお父さんになるわけだし」


アタシが家をでるときに、藤堂さんが言った。


「本当に結婚するんですか」


「もちろん」


優しい雰囲気をだしながらも、キリリと答えた藤堂さん。


本気なんだ。


何も言えなかったアタシは行き先も言わず、家をでた。





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