じいさんとアタシ

アタシを睨んでいた目をフッと外し、そう言った。


引き下がらないヤツについついアタシもムキになってしまって、

「悪い」を言い張ってしまっていたけど、

ここ何時間かで彼に対する印象や、イメージもかわってきたのも確か。




「悪いって言っても…

『お疲れ様』って一言あっても良いんじゃないかなって…

お店とか職種はちがくても、ココで働いているスタッフにかわりはないんだし…

って生意気言ってすいません。


ゴミ捨て場って嫌ですよね、夏場はにおうし、ゴミの量は多いし…

大変ですよね…」



久しぶりに自分の素直な気持ちを言えた。


今まではケンちゃんとか、翔ちゃんにしか言えなかったのに…



初対面の人もいる中で、こんなに素直に言葉がでたアタシは、

ちょっと放心気味だった。




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