じいさんとアタシ
「トミさんなぁ、消えた妹がお前にそっくりなんだとよ」
「消えた?」
雨はハルさんが言ったとおりすぐやんで、湿気がすごかった。
そんな中、急にヤツが言った。
「トミさんに言うなよ?これはハルたちも知らないんだ。
俺と、トミさんの秘密」
「秘密なのに言っちゃっていいんですか」
『約束』とか『ルール』という言葉にとても厳しそうな人なのに、
あっさりとアタシにトミさんとの秘密をバラしたヤツに、ちょっと笑いそうになった。
「よくねぇよ。だけどお前だから言ってるんだ」
「は?」
モールの入り口まで後少し。
見慣れた2人の姿が目に入る。