じいさんとアタシ


「お前がオレのこと、よく思ってないの知ってる。

むしろ嫌いだろ?

だから『オレがいるから』とかいう理由で、あの部屋に来るのをやめないでほしいんだ。

トミさんのためにも。

トミさんだけじゃない。ズミもハルも寂しいヤツらなんだ。

だからな…」



「大丈夫です」


「え?」


「前まで、ケンさんのこと好きじゃなかったけどここ最近で印象かわりました。

それに、アタシはトミさん好きだし、ハルさんともズミさんとも、

もっと話してみたいと思うようになりました。

だから、また遊びに行きます」


アタシがそう言うと「そ…そっか」と彼は笑った。

その笑顔は今まで見たことのない、トミさんがよく見せる優しい笑顔に似ていた。



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