じいさんとアタシ

「ひー!」

もう1度呼ばれて振り返ると、ギュッと抱きしめられた。



「ケンちゃん…ごめんね」


ケンちゃんは答えるかわりにアタシをもっとギュッとした。



「こんな公共の場で見せつけんなよなー」


「ワハハ」と笑いながら、翔ちゃんが近づいてくる。











「心配…させんな」


やっと離してくれたケンちゃん。

その目は今まで見たことないくらい、悲しい目をしていた。





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