じいさんとアタシ
教師になると決めて、教育実習に行く大学4年。
親父は数学とか理科の先生になってほしかったみたいだけど、
そこは俺の粘り勝ち。
俺もケンを見習わないと。
4年になったのと同時に一人暮らしをすることになった。
「少しでもお父さんから解放させたいの」
とお袋が言った。
そして、
「ケンくんもよんであげて」
と。
お袋はケンを俺と暮らさせるために、一人暮らしをさせたんじゃないのかと思う。
だけど俺にとってもケンと暮らすのは嫌じゃなかったし、
むしろ料理できないし、ケンがいればメシの心配いらないから、
お袋の願いを聞き入れて、彼を誘った。