じいさんとアタシ
やっぱりひかりも、家の事情が複雑で小さな心に傷があった。
ケンに会わせたら…
そんな気持ちで2人を会わせると、あれよあれよという間にカレカノに。
しかも2人ともみるみるうちに明るくなってく。
ケンは口数が増えて、年齢を偽って働いていた居酒屋を辞め、
「ひーと高校生になる」
って言って、受験勉強を始めたときはビックリした。
お袋にそのことを報告したらすごく喜んだ。
もちろん親父にも伝わり、親父は「親としての義務だから」と言って、
入学費やら金銭面を全て払った。
ケンは知らないけど、こっそり入学式に来てたのを俺は知ってる。
親父も親父なりに、何か感じとったのかもしれない。