じいさんとアタシ
最初に話し掛けてきたのは、お母さん。
「おはよう」
起きたらエプロンをしたお母さんが台所にたって、味噌汁を作っていた。
驚きすぎて何も言えないでいると、
「たまには作ろうかなと思って…」
と言いながら、豆腐を切っている。
「お母さん…」
「ん?」
「その味噌、賞味期限きれてるよ」
「えっ!!」
結局その日の朝の味噌汁はインスタントだったけど、いつも飲む味噌汁とはちがった。
お母さんもそうだったのかな?
いつもより口数が多くて、藤堂さんに「今日のキミちゃん、朝からテンション高いなぁ」と言われていた。