じいさんとアタシ

ろうかはシンとしていて、人の気配がない。


だけどお母さんの寝室からは物音がする…



やっぱ泥棒!?


不安がよぎり、やっぱりケンちゃんを起こしに行こうと部屋を戻ろうとすると、



「ひかり…ちゃん?」



と呼ばれた。




「あ…あれ?藤堂さん…」



「どうしたの?ホウキなんかもって」



「あ~…いや…物音がしたから…」


「あ!まさか泥棒だと思った?」


「はい…」


「あはは!ごめん、ごめん!

ちょっと忘れ物しちゃって取りにきたんだよ」


「わざわざこんな朝早くに来なくても…」


「朝一で会議だからここに寄るヒマなくてね」


「そうなんですか…大変ですね」


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