じいさんとアタシ

こんな大事なときに頭をグルグルしてるのは、くだらないことばかり。


「で…産むつもりなのか?」


ケンさんが静かに聞く。

他の3人も静かになった。





「アタシは…産みたい」



大好きなケンちゃんとのこども。


産みたくないワケがない。




「子どもを育てるってのは…大変なんだぞ」


ヤツのその言葉にズミさんが頷く。



「ひーちゃんはまだ若いし。相手の奴だって、まだ若いんだろ?」



「アタシと同い年です…

だけど…産みたいの、会いたいの」



そう言うとトミさんはアタシを抱きしめてくれた。




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