じいさんとアタシ

人と荷物が行き交う間を「すいませーん。通りま~す」と言いながら、抜けていく。



目指すは1番奥にある、ゴミ捨て場。



ゴミ捨て場に行くまでは、直線にしてだいたい50メートル弱。


アタシはいつもの慣れた足取りで、目的地へ進む。



「忙しい時間にゴミ捨て来んな」

とか舌打ち混じりに言われても気にしない。



だってアタシだって仕事でゴミ捨てに来てるんだし。



それにそんな嫌味の1つや2つ、あの『じいさん』に比べたらかわいいもの。



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