じいさんとアタシ
3
人と荷物が行き交う間を「すいませーん。通りま~す」と言いながら、抜けていく。
目指すは1番奥にある、ゴミ捨て場。
ゴミ捨て場に行くまでは、直線にしてだいたい50メートル弱。
アタシはいつもの慣れた足取りで、目的地へ進む。
「忙しい時間にゴミ捨て来んな」
とか舌打ち混じりに言われても気にしない。
だってアタシだって仕事でゴミ捨てに来てるんだし。
それにそんな嫌味の1つや2つ、あの『じいさん』に比べたらかわいいもの。