じいさんとアタシ
お惣菜売り場で、ちょっと遅めのお昼ご飯を選んでいると、大学の友達に会った。
「作るの面倒だから買いにきちゃった」という、
ジャージ姿にスッピンというなんともラフな格好をした友達とお昼を選んでいたところに、ありえないことが起こった。
「買うなら買う、しゃべるなら消える。どっちかにできねぇのかお前らは」
という言葉とともに、アタシはド突かれたのである。
あの『じいさん』に。
「いったー」
よろけたアタシは幸いにも陳列ケースにつかまることができたから、
こけるようなことはなかったけど、アタシのことはおかまいなしにお弁当をポイポイかごに入れていくじいさん。
「大丈夫?ひかり?」
一緒にいた友達も「っつかなにあのジジイ。カンジ悪。」と一言。
休日の食品売り場にはたくさんのお客さん。
周りにもたくさんいたけど、そんなことにはおかまいなしってカンジで、
選び終わるとスタスタとレジに去って行ってしまった。