Is this a Fiction?
致し方なくトモヨのリクエストに応えつつ、しばしのカラオケタイムを“勤務”していた時、またもやママが近づいて来た。
時間にして僅か15分位のカラオケタイム……
短すぎやしないか?
勘ぐりたくなくとも意図を探ってしまう感覚。
「もう少しで終わるから、片付けは明日にして下で呑んで待っててよ」
ママの言う“下”とはBarである。
一階にBar、二階にラウンジと、共にママが所有する系列店舗で、俺は掛け持ちしながら行き来していた。
こんな閉店後の違和感のあるラウンジで、好きでもない女のリクエストに応えている位なら下でタダ酒を呑んでいた方がよっぽどマシである。