Is this a Fiction?
俺は直様トイレの扉を少し開けて中の様子を確認すると、横たわった足が二本見えた。
更にドアに足を向けながら倒れている女性の姿が見えた。
疑惑は確信に変わり、中に入った俺はすぐに脈を取った。
気構えとはすごい物である。
何度もの違和感に臨戦体制が整っていたのか、人の生死に精神が座ったのか、妙に落ち着いていたのを覚えている。
倒れた彼女は、口から何らかの汚物を吐き出し、半身を水に濡らしてすでに脈は無かった。
洗面台の蛇口は開き、ジャージャーと水が出しっぱなしになっていて、静かな空間に音を添えていた。