Is this a Fiction?

脈の“無い”事を確認した後、すぐにママへ救急車を呼ぶように“指示”を出す。

もはや手遅れなのは解っていたが、まさか葬儀社を呼ぶ訳にもいかない。

しかしである。ママは震えて立ち尽くし、まるで子供の様に……

「私、無理よ。チーフ電話して」

そう言いながら後退りする。

「死んでるの?」

その言葉を何度も繰り返すママを押し退け、コードレスフォンをプッシュしながらトイレに戻った。


急を要する中、どこか頭におかしな矛盾を抱えたまま……


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