Is this a Fiction?

酔った客がトイレから出てこない。その時点で覚える恐怖があるだろうか?

ありはしない……

過去、プライベートでも仕事でも何度もそんな事態は経験している。

─酔って倒れてるんじゃないか?

─泥酔して呼び声が耳に入らないんじゃないか?

─アルコール中毒にでもなったんじゃないか?

─寝てしまったんじゃないか?

まず恐怖するより先に芽生える感情は“心配”であるはずだ。

しかもその客が女性であった場合、場所が場所だけに男性スタッフにドアを開けさせるだろうか?

長年、水商売で生きてきた“オーナーママ”が……


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