Is this a Fiction?

医師は眉一つ動かさずに言った。

聞かされた死因は突発性の脳卒中。
まるで事件性を思わせる様な口振りなんかじゃない。

明確な死因を聞いた俺は自分の予想が外れた事に戸惑った。

ママは確認するように何回か死因を聞き直し、徐々に落ち着きを取り戻しつつあった。

死因を聞いて落ち着く姿も滑稽に感じる。

トモヨは何が起こったのか、いまいちピンと来ていない様子できょとんとして座っていた。

俺は殺人経験は今の所なかったので、解剖前の数十分の遺体調べで出た死因に異議を申し立てる事等出来なかった。

ただ、抱えた疑惑と違和感がすぐに解消されるはずもなく、消化不良と混乱だけが残っただけである。

誰もママの挙動が不審な理由は答えてはくれないのだ。

解決の糸口は絶たれた。

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