Is this a Fiction?
その時、ママがカウンターにやってきた。……一人で。……満面の笑顔で。

違和感を感じる──

「ちょっとあんた達、カラオケの練習しなさい」

ママが言ったのは、突拍子の無い指示であった。そしてこう続けた。

「こっちの話が終わったら、ご飯食べに行こうよ」

店が終わって飯を一緒に食いに行く事は珍しくはない。

男性客のアフターに付き合わされる事も多かったので、閉店後にすぐに帰宅出来る方が少ない位だった。

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