LAST contract【吸血鬼物語最終章】
その真意が聞きたい。
そんな、欲。
「もちろん俺の為。俺がお前と一緒にいたいからだ」
「血は‥?」
「別にいらねぇ。最後の瞬間まで桃といたいだけだしな」
「だっ、駄目だよ。ちゃんと飲まなきゃ‥!!」
「いいじゃねぇか。俺から離れてぇんだろ?」
「ち、違‥ッ」
違う‥違うよ、そうじゃない。
私は、ただ‥‥
「紅に‥、迷惑掛けてばっかりだから、離れた方がいいと思っただけで‥」
「俺はそうなった方が迷惑だぜ」
ぐいっと腕を引っ張られて、懐に入れられる。
紅はその大きな手で、頭をわしゃわしゃとかいた。
「もう一度言うぞ」
そして、真剣な顔をして。
「俺はお前から離れるつもりは本当にねぇからな」
紅の低い声が、耳に響く。
「お前が俺を嫌いになったり、他の誰かを好きになったとしても‥」
俺は、お前を手放さねぇ。