夢のつづき。
「さーちゃん、また夢を見ちゃったの?」
奈津子は台所の入口で立ったままぐずるさなに近づきさなと視線が合うようにしゃがんで話しかけた。
さなは小さく頷き、そして大声で泣き始めた。
こんな朝を迎えたのはこれで何回目だろうか?
先月の末に3歳の誕生日を迎えたさなは、あの日まで今のように起きぬけにぐずるような事は一切なかった。
むしろ最低5回は起こしにいかねばならない康に似ず、とても寝起きが良い子だった。
朝になれば自分で起きてパジャマのまま台所まで来て康のお弁当に悪戦苦闘している奈津子に「ママ、おはよう!」と元気な挨拶をしてくれていた。
朝の慌ただしさに忙殺され必死にお弁当と格闘する奈津子がさなの声で我に返りママの顔に戻る。
さなと視線が合うようにしゃがんで「おはよう、さーちゃん。」と挨拶を返す。
忙しい朝で唯一の潤う時間。
「ママ、お弁当を作ってるからパパとテレビを見ててね。」と言うと「はぁい!」と元気な返事を残してさなは康がテレビを見ているリビングに行き康と一緒に朝のニュースが流れる画面を眺めている。
そんな何気ない朝の風景が奈津子は大好きだった。
今はその風景も週に何回かしか見られなくなってしまった。
あの日。
あの日、初めてそれは起こった。
奈津子は台所の入口で立ったままぐずるさなに近づきさなと視線が合うようにしゃがんで話しかけた。
さなは小さく頷き、そして大声で泣き始めた。
こんな朝を迎えたのはこれで何回目だろうか?
先月の末に3歳の誕生日を迎えたさなは、あの日まで今のように起きぬけにぐずるような事は一切なかった。
むしろ最低5回は起こしにいかねばならない康に似ず、とても寝起きが良い子だった。
朝になれば自分で起きてパジャマのまま台所まで来て康のお弁当に悪戦苦闘している奈津子に「ママ、おはよう!」と元気な挨拶をしてくれていた。
朝の慌ただしさに忙殺され必死にお弁当と格闘する奈津子がさなの声で我に返りママの顔に戻る。
さなと視線が合うようにしゃがんで「おはよう、さーちゃん。」と挨拶を返す。
忙しい朝で唯一の潤う時間。
「ママ、お弁当を作ってるからパパとテレビを見ててね。」と言うと「はぁい!」と元気な返事を残してさなは康がテレビを見ているリビングに行き康と一緒に朝のニュースが流れる画面を眺めている。
そんな何気ない朝の風景が奈津子は大好きだった。
今はその風景も週に何回かしか見られなくなってしまった。
あの日。
あの日、初めてそれは起こった。