優しい嘘
　秋は、俺と一緒に居る様になってから、授業に出る様になり、先生に感謝された事もあったけど、別段、俺が秋に何か言った訳じゃない。


　俺が授業に出てるから秋も出るようになっただけの話だった。


　何故、そこまでして秋が俺とつるむかは全く解らない。


　気付けば傍に居て、ニコニコと笑顔を向けていたのだ。


　そうして、必然的に大学も一緒に。


　学部は違うけど、まだ１回生だったから、受ける授業も一緒になる事が多く、高校時代と変わりなく秋と一緒に居る事が多かった。



　それから、余り冴えない俺でも、大学マジックと言うべきか、入ったと同時に彼女が出来た。


　初めて出来た彼女は、どちらかといえば地味なタイプで、俺は彼女と一緒に居ても疲れる事もなく、交際も順調だと思われていた。


　そう……、秋の家に遊びに行ったあの日までは……。



　
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表紙・目次

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