いとしいひと


あたしにしてはかなり大胆な行動だったと思う。


ぺた


あたしは橋口さんのおでこに手を当てた。


う〜ん?


熱はないみたい…


「うわぁっ!?!?」


「きゃ…」


ドタン


「は…しぐちさん??」


橋口さんはなぜか思いっきり後ろへ倒れてしまった。


…………。


そんなに…嫌だったの?


…ショック。


「わっ…違っ…ごめん!!」


「違うってぇ…?」


駄目だ…泣きそうだよ。


「わー!!!
朱里ちゃんっっ!?
本当ごめ…っ
ハンカチ…無いし…
どうしよ…」


「ぶっ…はっ、あははっ」


「朱里ちゃん〜!?」


だって…橋口さんてば、すごい慌ててる…

何だか…


「かわいい…」


「えっ!?」


本当にかわいいって思っちゃったんだもん。


やっぱり年上の男の人に、かわいいだなんて失礼だったよね…?


「はあ〜〜〜〜もぅ…」


怒っちゃった…かな??







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