いとしいひと
どのくらい
こうしていただろう?
橋口さんの腕の中で
あたしはこの上なく幸せだった。
〜〜〜〜♪♪♪
……橋口さんの携帯?
〜〜〜〜♪♪♪
「…出なくていいんですか?」
「いーの。
朱里ちゃんのが大事だもん」
だもん…って
うわぁ…
照れちゃうよ。
〜〜〜〜♪♪♪
「だー!!うるせぇ!!」
「やっぱり出たほうが…」
「朱里ちゃんごめん…!
何だよ!雅敏っ!?
今、いいとこなんだよ!!」
電話、関谷さんだったんだ…
橋口さんてば、“いいとこ”って…
あたしは抱きしめられた状態で真っ赤になっていた。
「はぁ…!?
冷やかしなら切るぞ!!
…あ!?ああ…
多分……」
橋口さんがあたしを見つめる。
ドキン
な…に?
「うるせーよ。
…まだちゃんと聞いてない…けど。
もーいいから!じゃーな!!」
そう言って電話を切ってしまった。