いとしいひと


どのくらい


こうしていただろう?



橋口さんの腕の中で
あたしはこの上なく幸せだった。




〜〜〜〜♪♪♪


……橋口さんの携帯?


〜〜〜〜♪♪♪


「…出なくていいんですか?」


「いーの。
朱里ちゃんのが大事だもん」


だもん…って


うわぁ…
照れちゃうよ。


〜〜〜〜♪♪♪


「だー!!うるせぇ!!」


「やっぱり出たほうが…」



「朱里ちゃんごめん…!

何だよ!雅敏っ!?
今、いいとこなんだよ!!」


電話、関谷さんだったんだ…


橋口さんてば、“いいとこ”って…


あたしは抱きしめられた状態で真っ赤になっていた。



「はぁ…!?

冷やかしなら切るぞ!!

…あ!?ああ…
多分……」


橋口さんがあたしを見つめる。


ドキン


な…に?


「うるせーよ。
…まだちゃんと聞いてない…けど。

もーいいから!じゃーな!!」



そう言って電話を切ってしまった。








< 80 / 86 >

この作品をシェア

pagetop