Dear you. ~あなたへ~
余韻。
「そろそろ離れませんか?
麻奈さん。」
抱き合ってから
どれくらい経ったのだろう。

慎吾くんが言ってきた。

「無理。なんか離したら
どっか行っちゃいそうだし。」
「さっきから廊下通る人に
じろじろ見られっぱなしで
めっちゃ恥ずかしいんやけど。笑」
私は廊下を背にした状態で立っていたから、気付かなかったのだ。

「あー恥ずかしかった!
ってか離れるてなんやねん。付き合いたてほやほやで。笑
心配せんでもこれからずっと死ぬまで側におるつもりやから。」
慎吾くんが私の頭を撫でる。

この人はなんて恥ずかしいことをいうんだろうと思った。


そっと、腕の力をゆるめ、慎吾くんを離す。
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