Dear you. ~あなたへ~
大阪からの転校生。
教室に入ると、
親友の亜美が駆け寄ってきた。
「麻奈今日もギリギリじゃん。
大丈夫なの?」
亜美はスタイル抜群で高校生には
見えないほど大人びている。
その口元のほくろは亜美の
セクシーな部分をさらに引き立てていた。

「麻奈ーおはよぉー」
窓側の席から声がする。優菜だ。
優菜はおっとりしていて
誰が見てもトロくてどんくさい。
でも顔はとても可愛くて、
その見た目どおりに
純粋で、とても優しかった。

「今日ね、転校生くるんだって。
大阪から。朝太郎が言ってたよ。」
太郎とは担任のあだ名だ。
本名は山田重雄だが、
山田と言ったら太郎!という
よく分からない理由で太郎と呼ばれていた。

「なんか関西弁って怖いよねー。
私ちゃんと挨拶できるかなー。」
優菜が亜美とは
正反対のゆったりした口調でいう。
私も実のところ少し怖かった。
大阪というとヤクザや
キツいおばちゃんというイメージがあったから。
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