二股男─甘い誘惑切ない葛藤─
「さゆりにはやってないんだから
大切にしろよ!」


「しい君……」


俺が愛の手のひらに置いたのは
俺の部屋の合鍵。



「さゆりが俺の部屋に直接来ることは有り得ないから
そんなに心配そうな顔しないで?」



「そんな顔……してた?」


「多分あいつ……俺んちの場所知らないし
相当方向音痴だからな!さゆりは」


「でも、やっぱり……」


そう言って、鍵を返そうとする愛



「いいんだって!!
持ってろ!命令だからな」


「……分かった
ありがとう!しい君!」
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