二股男─甘い誘惑切ない葛藤─
愛はじっと、大きな瞳で俺を直視して
ふぅ……と一回深呼吸をした。


「でも、やっぱりおきて破りになっちゃうから言わない!!」


「おきて破り?」


「何でもないから忘れて……」


何だよ──…
さらに気になるじゃんか。


「嫌だ、言うまで離さねぇからな」


愛の手をしっかりと握り締め
彼女の涙の跡を視線で追う


俺は、お前の悲しみを少しでも軽くする為に
一緒にいるんだから。
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