二股男─甘い誘惑切ない葛藤─
「しい君ー!!」


大きな荷物を抱えて、改札から出てきたさゆり。


3ヶ月ぶりに会う事もあり
彼女がよりいっそう可愛く見える。


甘ったるい声と
ふわふわした雰囲気は未だに健在


変わっていない姿に少しだけホッとした


「お帰り」


「ただいま!!
めっちゃ会たかったぁ」


「俺も会いたかったよ」


大きな荷物を投げ捨てて
今にも俺に抱きつきそうなさゆりの右手から
一番大きいボストンバックを
俺は右手に握り締めた。
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