二股男─甘い誘惑切ない葛藤─
外で光っている夜景も
俺たちの関係は祝福できないのだろうか?


やけに、赤いネオンが
目にしみる──


「ごめん……
困らせるつもりはないんだ
この際だから、白状するけれど
俺──出会った時から
愛のこと……気になってた」



「でも……さゆりは──」



「さゆりは県外だし……」



最低だ……
彼女のいない間に
浮気をする男だって
想われてるよな。



「ほら!
そう言うんじゃなくて
もしも、他の男で寂しさを埋めるなら
俺にしてくれないか?
俺──愛が心配なんだ」


俺は、必死で自分を正当化しようとしていた。


はは──情けないな。
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