【短編】BrownieSugar〜第1弾★
『陸、お疲れぇ!
昨日の音楽番組見たよ〜。
新曲、凄いよかった!』
『ありがとな。これからも、いい歌バンバン出していくから。』
時計は深夜を回っていた。
闇が深まり、静まり返った部屋。
電話越しに聞こえる愛しい彼女の声…。
『ねぇ…。今年のバレンタイン、何作ろうか?』
『そうだな…。
ブラウニーが食いたいな。』
去年は、チョコトリュフを作ってくれたっけ…。
中からとろける甘いチョコ。
あと一週間で、バレンタイン。
でも、今は…去年と状況が違う。
180度、ガラリと一変した。
俺がこんな多忙な生活をしている為、会えるはずがない…。
OFFの日?
ないに等しい。
365日、スケジュールびっちり。